近視進行抑制治療のための多焦点ソフトコンタクトレンズ

近視進行抑制治療のための多焦点ソフトコンタクトレンズ

近視の人口が激増する時代になった反面、近視の進行を抑制できる時代になりました。
既に行われているのが、オルソケラトロジーと低濃度アトロピン点眼です。
当院で治療を行っているお子様は日々増えています。
臨床的にもそれぞれ効果を発揮している様子を伺えて嬉しく思っています。
そんな中、更にもう1つ新しく選択肢が増えました。
マイサイトワンデー日本初承認の近視進行抑制治療のための1dayタイプのソフトコンタクトレンズです。従来の近視の矯正+近視進行抑制効果を同時に行う、というのが特徴です。

これまでは老眼用に遠近両用のソフトコンタクトレンズを使用していましたので、多焦点ソフトコンタクトレンズ、というと、あぁ老眼用のコンタクトね~というイメージでした。
それが、8歳~12歳を対象とした近視進行抑制治療を目的としたソフトコンタクトレンズで実際の効果も眼軸長伸展を52~63%抑制できるというので驚きです。
通常の近視矯正の度数と+2.00Dを負荷した度数の2種類の度数が同心円状に交互に配置されています。
近視は焦点が網膜より後方で合うことにより、その焦点に合うように網膜や白目の強膜が伸展することで近視が進行します。
今回の新しい多焦点ソフトコンタクトレンズは、網膜より前方に焦点が合うように設計されているため、網膜や強膜を伸展させず、眼軸長の伸展を抑制することで、近視の進行を抑制する働きがあります。

ただ、同心円状の特殊な構造により初期の見え方がややクリアではなく、慣れてくるのに数日~数週間かかるとされています。8歳~12歳のお子様が兼ね備える調節力を使用することで、ピントを合わせて見え方を調整していくためです。
見え方には個人差がありますので、実際に装用して頂き使用継続できるかどうかをご確認して頂くことがベストと思います。

見え方だけで比較すると、間違いなくオルソケラトロジーの日中は裸眼で過ごせる、という方が鮮明に見えると思いますが、多焦点ソフトコンタクトレンズは毎日のレンズケアの手間やケア用品が不要というメリットは保護者の方にとってはかなり大きく、お子様にとっても衛生的です。
手間で例えると、お弁当の容器や付随品を買い揃えてお弁当をずっと毎朝準備するか、お高めの学食で全部お昼ご飯をお任せするか、というような感触です。

結論としては、どちらも一長一短ですし、実際に使用するのはお子様なので、お子様が毎日問題なく使用できる治療法を選んで頂くことがベストだと思います。
日中に終日装用する必要があるため、レンズの着脱を1人でできるようになる年齢からスタートしたいところなので、10歳~15歳頃がお勧めというところです。
通常日中は眼鏡を使用せず、帰宅後はレンズを外して眼鏡装用をお勧めします。
メーカーからは1日10時間週6日を推奨されています。
オルソケラトロジーも多焦点ソフトコンタクトレンズもお試し(自費)として使用して頂くことは可能ですので、お気軽にご相談ください。