
オルソケラトロジー治療とは、就寝前にオルソケラトロジーレンズという特殊なコンタクトレンズをつけて就寝中に角膜の形を変化させ裸眼視力を矯正します。朝起きてからレンズを外すので、日中は眼鏡やコンタクトレンズなしの裸眼の状態で快適に過ごすことができます。角膜形状や近視の程度によっては適応できないことがありますので事前に適応検査が必要です。 近視は-4.00Dまで・乱視は-1.50Dまで矯正可能ですが、それ以上は限界があリますので、近視が進行していてお悩みの方はお早目にご相談ください。 6歳以上のお子様~大人の方まで対応できます。 お子様の近視進行抑制治療の中では最も抑制率が高い治療法で、アトロピン点眼併用では更に抑制率が高くなります。
オルソケラトロジーとは
手術のいらない視力矯正治療
「オルソケラトロジー」とは、近視・近視性乱視の方のための手術のいらない視力矯正治療法です。
日本ではレーシックほど知られていませんが、アメリカやヨーロッパ、アジア諸国を中心に世界各国で安全性・有効性が認められ、治療が行われています。
日本国内でも2009年以降4製品が厚生労働省の承認を受け、徐々に広まってきました。
オルソケラトロジーは未成年者を中心に処方されています。
日中の裸眼生活が可能に
オルソケラトロジーでは「オルソケラトロジーレンズ」という特殊な形状が施された、高酸素透過性の専用ハードコンタクトレンズを夜寝る前につけて、朝起きたらはずします。
就寝中にレンズが角膜の形を変化させ、裸眼視力を矯正するのが特徴です。それにより翌朝レンズをはずした後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、裸眼で過ごせるようになります。
2分でわかる!オルソケラトロジー
まずはこちらの2分間の動画をご覧いただくとわかりやすいかと思います♪
オルソケラトロジーの視力矯正の仕組みや、子供の頃から使用している方々の感想などをご紹介していますのでぜひご覧ください。
オルソケラトロジーの仕組み
近視の視力を矯正にするには
近視とは外から入ってきた光が眼の中の網膜より手前で焦点(ピント)が合っている状態です。
近視の矯正には、目に入ってきた光が網膜上でピントが合うように、光の屈折率を変える必要があります。
オルソケラトロジーは夜寝る前にオルソケラトロジーレンズをつけて、寝ている間に角膜の形状を平らに矯正し、光の屈折率を変化させることでピントが合うようになります。

特殊なレンズデザインが角膜の形状を矯正
オルソケラトロジーに使用するレンズは、手術をすることなく角膜の形状を変化させて近視を矯正する医療機器です。
レンズは複数のカーブからなる特殊なデザインとなっており、それによって角膜の形状を矯正することができます。
そのため翌朝レンズを外した後も一定時間効果が持続し(角膜が矯正された状態を保つことができ)、日中裸眼で生活できるようになるのです。

一般的なコンタクトレンズやメガネ、レーシックと何が違うの?
コンタクトレンズやメガネとの違い
コンタクトレンズやメガネは日中活動している時間帯に装用しなければなりません。それに対しオルソケラトロジーは、日中活動する時間帯に裸眼で快適に過ごせるよう、夜寝ている間につけて視力を矯正します。
レーシックとの違い
レーシックは一度手術を受けると角膜の形状をもとに戻すことができません。一方、オルソケラトロジーは万が一治療が合わなかった場合でも、レンズの装用をやめれば角膜の形状はもとに戻るため、別の治療に切り替えることも可能です。
このようにオルソケラトロジーは日中の快適な「裸眼生活」が可能になる、手術のいらない視力矯正治療法といえます。

当院の使用レンズについて
当院では、2012年に厚生労働省より製造販売承認を受けたオルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」(シード)を使用しています。

ブレスオーコレクト®の特徴
- 設計開発から製造販売まで一貫して日本で行われている純国産レンズ。日本人に多い角膜形状に合うようデザインされた日本人向けのレンズです。
- 東レ社製のしなやかで割れにくい・やわらか素材を使用しており、自然な装用感を体感できるレンズになっております。
- 酸素透過性が高く、睡眠中も角膜へ十分な酸素が供給できます。
ブレスオーコレクト®の視力矯正効果
- ブレスオーコレクトの有効性は、臨床研究を実施し認められています。
- 臨床研究では、装用開始時の裸眼視力の平均は0.22でしたが、装用後12週間で裸眼視力の平均が1.45まで改善しました。
- 裸眼で過ごせるようになるまでの目安は個人差はありますが、中等度の近視であれば約1週間程度で、日中を裸眼で過ごせるようになります。

オルソケラトロジーのメリット・デメリット
当院のオルソケラトロジー治療への流れ
オルソケラトロジー治療を始める前に保険診療でレンズ装用が可能かどうかの診察を致します。オルソケラトロジーレンズが装用可能であれば適応検査(自費診療)へご案内致します。
- 適応検査(約30~40分)
視力・屈折検査・角膜形状解析・角膜内皮細胞密度・眼軸長測定・トライアルレンズ装用・診療
診察後1~2週間の装用体験のご案内をさせていただきます。患者様・ご家族様ご自身でレンズの装用練習をして頂きご帰宅となります。(約30分~1時間)
- 装用体験1~2週間後の受診
視力・屈折検査・角膜形状解析・診察→診察後レンズ装用下での視力・屈折検査・診察
本治療のご契約となりましたら、ご本人様用の治療用レンズを発注し到着後にお渡し致します。
※本治療レンズをお渡しの際にトライアルレンズを返却して頂きます。破損・紛失がなければ保証金の全額返金させて頂きます。
- 本治療開始後2週間後検診(約40分)
屈折検査・視力検査・角膜形状解析・診察→診察後レンズ装用下での視力検査・屈折検査・診察
※経過が良好な場合はレンズ装用下の視力・屈折検査を省略することがあります。
- その後は、1ヵ月後、その次は3ヵ月毎になります。
1ヵ月後以降は視力検査・屈折検査・角膜形状解析検査・角膜内細胞密度検査の他に、毎回眼軸長測定をしてグラフ化し近視の進行の状況を確認します。
また、レンズの左右の入れ間違いや汚れ・傷の有無を毎回確認しますので、受診時は毎回レンズをご持参ください。
オルソケラトロジー治療の費用(税込、全て自費)
適応検査
※適応検査を受ける前の注意事項
現在コンタクトレンズを装用している場合は、以下の期間を装用中止して頂きます。
ソフトコンタクトレンズ 3日以上
ハードコンタクトレンズ 2週間以上
他社のオルソラトロジーレンズ 1ヵ月以上
本治療に進まれる場合
角膜感染症について
オルソケラトロジー使用下での角膜潰瘍などの角膜感染症の罹患率は約0.07%と報告されており、通常のコンタクトレンズ使用下での罹患率が約7%とされていることと比較すると1/100の確率でかなり低いとされています。
当院でも、レンズの左右の入れ違い・傷・汚れの有無を受診時に毎回確認しておりますが、日頃からのご家庭のレンズケアは最も重要です。
クリアデューSLはポピドンヨードによる消毒液で、これに毎日つけ置きすることで角膜感染症をほぼ防ぐことができるとされており、毎日使用して頂くことを推奨しております。
(ヨードアレルギーのある方はお申し出ください)
同時に、専用のケースとスポイトは3ヵ月に1回の交換を推奨しております。
メーカーと眼科学会からも同様に推奨されています。
レンズの保証交換について
ご契約日から1年間は度数変更・レンズの汚れや傷による交換は片眼(1枚)につき2回まで無料となります。
当院では1年間が終了する直前で、同じ度数であっても新規のレンズに交換してその後約2年間を使用継続できるように指導しておりますが、レンズの劣化の程度は個人差がありますのでご了承ください。
※破損交換はレンズの半分以上が残っていることが条件になります。
その他のご注意点について
医療控除について
オルソケラトロジー治療は、眼鏡や通常のコンタクトレンズのような視力矯正ではなく治療になるため、医療費控除が可能です。(購入時の領収書が必要)
途中解約について
治療プログラムですのでご契約後の途中解約はできませんのでご了承ください。オルソケラトロジー治療は高度管理医療機器を使用する治療のため、クーリングオフの適応外となっています。
