「近視」とは
近視は眼の長さ(眼軸長)が長いため、網膜より前でピントを結ぶことにより、ぼやけて見える状態をいいます。5歳~15歳の年齢で近視の進行が著しく、16歳頃からやや緩徐になりますが18歳頃まで進行します。
裸眼視力が0.3を切ると、教室の一番前でも支障が出てくるので眼鏡の矯正が必要になります。眼鏡の度数を弱めても近視の進行を抑制することにはなりません。


近視進行抑制治療
眼鏡・コンタクトで近視を矯正するだけの時代から近視の進行を抑制できる時代になりました。
★1日2時間の日中屋外活動
1日2時間屋外活動をすることで、近視の進行を抑制できることが報告されています。中学生・高校生のお子様にはUVカットなしの眼鏡やコンタクトレンズがお勧めです。
★低濃度アトロピン点眼(自費診療)
4歳から15歳程度のお子様の近視の進行を抑制させる目的で、1日1回就寝前に点眼する治療です。0.01%アトロピン点眼使用下では、近視の進行を海外では約60%、国内では約18~33%軽減できる、と報告されていました。
一方、0.025%アトロピン点眼使用下では、近視の進行を国内の治験で約40%軽減できる、と報告されております。海外でも、0.01%アトロピン点眼よりもより効果があるとされる報告が多数あります。
点眼するだけで簡単なので導入しやすい利点があります。
副作用として眩しさが出ることがあります。殆どの場合で生活に支障が出る程ではありませんが、個人差があります。
初期は散瞳作用が強く出ることがあるため眩しさを感じやすいですが、使い続けているうちに徐々に弱まり眩しさを感じなくなることもあるので、眩しさが支障のない程度であれば使い続け頂き、初回の1カ月後の診察時にご相談ください。
いずれも点眼を中止することで元に戻ります。
5歳~15歳で軽度~中等度の近視のお子様に特に有用です。
オルソケラトロジーと併用することで近視進行抑制率は最も高くなります。
当院では、視力検査と一緒に、毎回眼軸長を測定してグラフ化し、近視の進行具合を確認することができます。


リジュセアミニ点眼治療(自費診療)
当院では、小児期のお子様に負担の少ない近視進行抑制治療として、リジュセアミニ点眼液0.025%の治療を導入しております。

- 治療前検査
屈折検査、視力検査、眼軸長検査を行います。
- 診察
検査結果をもとに、医師が診察し治療内容の説明を行い点眼薬を処方します。
- 点眼薬開始
- 定期検査
点眼開始から下記の日程で検査・診察を行います。
●1ヵ月後:屈折・視力・眼軸長測定
※薬剤アレルギー・眩しさの有無の確認
●2ヵ月後:上記と同様
●以後3ヵ月毎に同様の検査・診察
リジュセアミニ点眼液0.025%の治療の費用(全て自費)
国内初の低濃度アトロピン点眼(参天製薬)
●初回
検査&診察代+リジュセアミニ点眼液0.025% 1箱=6,900円(税込))
※リジュセアミニ点眼液0.025% 1箱(1日1本使い切り、30日分)=4,400円(税込)
※検査&診察代=1回2,500円(税込)
●眼鏡処方・調節麻痺下屈折検査を施行した場合
検査&診察代=1回3,500円(税込)
※0.025%マイオピン点眼液(輸入品)は完売しましたので、0.025%リジュセアミニ点眼液(国産品)に移行します。
4/21に国産品が発売されたと同時に国内への輸入が停止されたため、国内では徐々に移行して国産品のみを扱うことになります。
当院でも昨今の動きに合わせて最新の治療を行う目的で、0.025%リジュセミニ点眼液のみを取り扱うことに致しました。
マイオピンとの相違点は、
①1日使い切りのタイプで防腐剤が入っておらず、お子様の眼により優しいこと
②副作用としての散瞳作用がより弱くなるように工夫して製造されていること、です。
★オルソケラトロジー(自費診療)
6歳以上のお子様~大人まで対応しています。
専用のハードコンタクトレンズ(ナイトレンズ)を寝る前に装用し、角膜を型押しすることで、屈折を矯正します。朝起きてからレンズを外して、日中は裸眼で快適に過ごすことができます。
装用を中止すれば元に戻ります。スポーツをしているお子様には最適です。
近視進行抑制治療としては最も効果が高く、抑制率は約43%程度、更に低濃度アトロピン点眼と併用すると約59%程度の抑制効果があると報告されています。
強度近視では、緑内障・網膜剥離・黄斑変性など様々が合併症を引き起こすことがあります。
小児期の時期に眼軸を伸展しないように抑制することで近視の進行を抑制し、強度近視に移行しないようにしてあげることは将来において役に立つ治療法と考えられています。

